ことの経緯
デザイナーとしての経験を幅広く積むため、会社の仕事以外にも、フリーランスのデザイナーとして、様々なWebサイトのデザインを手掛けてきました。デザイン作成だけではなく、ディレクションやコーディングも自身で担当し、一人でもWebサイトの構築をすることが出来ます。今回は、その一例を元に、アウトプットと思考やプロセスをご紹介します。
アウトプット
今回は依頼のあった、松戸酒販と言うナイト系(キャバクラやクラブ)の店舗に対して、お酒の卸し事業をやっている会社さんのコーポレートサイトの作成をご紹介します。デザインとディレクション、実装、全てを担当しています。是非、実際のWebサイトを下記からご覧ください。
思考とそのプロセス
①ヒアリング
クライアントには、特定のデザインイメージや、Webサイト制作に関しての知見がなかったため、まず、現状やクライアントが実現したいことから、必要な要件や戦略を導き出し、それを元にワイヤーフレームを作成し、認識合わせしながら設計を進めました。
②ポジショニングマップ
デザインイメージを決め、さらに差別化する上で、競合他社と比べ、松戸酒販がどこのイメージを目指したいかを、クライアントと共にポジショニングマップを活用して再認識することにしました。
③ムードボード
ポジショニングマッピングをする中で導き出し定義した、「高級感、信頼感もあるが、受け入れられやすく、遊びのあるデザイン」という言葉を元にし、いくつかの候補のムードボードを用意し、さらにクライアントとデザインイメージの擦り合わせをしました。
④メインビジュアルの決定
クライアントのミッションである、「みんなが笑顔になる乾杯を」というキャッチフレーズを想起させるビジュアルをTOPに使用しました。遊び心と気楽なイメージを感じられる様に、手書きのフォントを使用しました。メインカラーは、日本の伝統を感じる様なロゴにマッチした、深みのある赤を使用しました。 メインビジュアルが決まったあとは、それを元に全体のデザインをしていきました。
⑤セルフディレクション
最後に完成したデザインを自分でデザインディレクションをしました。どうしても作業に夢中になってしまうと、全体を俯瞰して見れなくなることがあるため、必ず、視点をディレクターに切り替えて、多すぎる要素を間引いたり、ユーザーの気持ちの設計が出来ているのかを、再度、認識し直すことにしています。
振り返り
フリーランスとしての仕事の中で感じたのは、必ずしもクライアントに明確な希望やイメージがあるわけではないということです。何を決めればいいかわからない、特にイメージしているものもないという状態から、いかにクライアントに寄り添い、巻き込みながら、クライアントの潜在的な要望を引き出し、目的を達成するか。与えられた情報からだけでなく、そこまでデザイナーは考える役割を担っていることを再認識しました。